良いか悪いかではなく

2026年4月 9日 14:07 | 日常のこと,音楽のこと

先日、お弟子さんに
AIが作った曲と人間が作った曲は、聴いて区別できるもんですか?
と質問され、大真面目に答えた。


人によってはもっと様々な視点があるかもしれないけれど、少なくとも私は、部分的に聴いたら全くわからない。しかし、通して最後まで聴いたらまず間違いなく違和感には気付く。
と答えると、当たり前だけれども、その違和感とは?というツッコミが入った。

ポピュラーで言うなら、イントロだとか、Aメロだとか、Bメロだとか、サビだとか、一つのまとまりが連結しているわけで、 その一つのまとまり自体の完成度は、むしろAIは高いと思う。
歴史上の「統計」から、最も多用されている手法だとか、数字的な最適配置を秒で作ってくる。
和声課題なんてやらせても完璧なんじゃないかな。

問題は、「曲」として捉えた時なんだよ。

私は作曲をするということは、ここからが重要だと思ってる。

超イケメンな顔。見事な逆三角形の体。長い逞しい足。流行りの髪型。
これらを全部繋げて、まとまるとは限らない。美味い食材を全部突っ込めば美味い料理になるとは限らない。
これはよく、作曲の先生が「まず一曲として最後まで仕上げること」を重要視することとも通じていて、

作曲家は、その一曲を通して伝えたい何かを構成するから、意図的に外したり、薄くしたり、統計外のことをやったり、それにはその人なりの理由と、一つ一つに意味があって選択するんだよ。
変に尻切れトンボみたいにならないように。

それは人間の意志に基づくチョイスであって、でもそれは人間らしいいい加減さということではなくて、揺らぎの一種であって。それがAIからは見て取れないという違和感だよ。
意志と感情は人間が人間である証だけど、意志と感情はイコールではないことも含めて、これは結構大きなAIと人間の違いだよ。
音楽は時間経過が重要なものだから、それが顕著に出やすい分野かもね。

と力説した。


理論は常に、曲が生まれた後に纏められた統計が背景にある。 AIは、あらゆる統計を集計し、巨大なデータベースから割り出した構成が作れる。
人間は、意志に基づいた構成が創れる。

流れという構成。

逆に言えば、曲の全体像を必要としない15秒のCM曲とかである場合は、 私は聞き分ける自身は全く無い。
DAKOKU